最低賃金を1500円以上に引き上げよう

 賃金が上がらない国、日本。派遣労働など非正規雇用を増やし続けた結果だ。労働者を安くこき使い、利潤を増やすという安易な方向を企業に許してきた結果でもある。先進国の中でも、成長できない国に成り果てている。つまり、日本は労働分配率が低すぎるから、国民の購買力が上がらず、当然企業の投資も進まず成長できないのだ。

 欧米諸国の最低賃金は軒並み1500円以上となっている。日本はいまだに1000円弱。ダブルワーク、トリプルワークまで強いられているワーキングプアの人たちが、生活苦に呻吟させられている。明日のご飯、給食代、教育費、医療費、介護費用の支払いに苦労しているのだ。物価高騰にもかかわらず年金も引き下げられた。若い人も高齢者もともに苦労させられている。

 明らかにこの状況はまちがっている。このような状況を改善するための政治が機能していない。政権党がこの状況を生み出してきたからだが、その問題の追及が弱すぎる。野党をはじめ、ジャーナリズムが、問題点を指摘し、改善を図るべきなのに、その力が弱体化させられている。曰く、野党は批判ばかりで対案がない、と。ジャーナリズムも政権党からのにらみにビビり、政権党の政策への批判的報道が少ない。まるで何の問題もないように描くヨイショ報道や、現状をより悪くする政策実行を煽る報道をするメディアもあるほどだ。しかし、賃金が上がらず、成長できない国にしてきた責任は、長年政権を担当してきた政権党にあるのは、自明の理だ。

 今こそ、国民みんなが批判的精神を発揮すべき時だ。ここまで情けない国になっているのに、遠慮などいりますか。忖度すればするほど、責任を免除し、悪政が続くだけですよ。現在、最低賃金審議が進んでいる。8時間働けば、まともに暮らせるようにするには、最低賃金が1500円は必要だ。1日12000円。1週で6万円。1月24万円。手取りで月約20万円。年収で300万円ほど。これって贅沢な願いですか。

 幸い、参議院選挙が7月10日にある。最低賃金を1500円以上に引き上げることを候補者や政党に要求しよう。それでは中小企業が困るというのであれば、中小企業への支援策をとらせよう。そして、1500円以上が実現すれば、貧困問題は、少し解決されることになる。生活保護の利用者も減少し、社会保障費の増加も抑制できる。一挙両得ではないですか。