与党と維新が野党共闘を攻撃する理由

 相変わらず、政権与党と維新からの激しい野党共闘攻撃が続いている。共闘をした側がその経緯を振り返り、長短を反省し、改善を図っていくのは当然だが、自公と維新が「共闘失敗」「共闘やめろ」と口をそろえて言うのは不思議でならない。なぜなら、共闘が失敗なら、その失敗を継続してもらった方が、自分たちに有利になるはずだから。それなのに、そうしないのには、やはり理由があるからだろう。つまり、本当は、野党共闘が怖いのだ。当選者数だけを見てみれば、野党共闘が伸び悩んだように見えないこともない。しかし、小選挙区では1対1の構図が奏功し、与党の大物があいついで落選し、立憲民主党議席を伸ばした。野党統一候補が僅差で敗れた選挙区も30余り。次回もこの構図が続き、野党共闘が弱点を改善して、政治が変わると国民生活がこう変わるというポジティブな共闘の深化した姿を示すことができれば、与党と維新は危うくなる。そのことを理解しているからこそ、なりふり構わぬ野党共闘攻撃の大合唱になっているのだろう。特に、国民の間に残っている共産党アレルギーを利用し、立憲民主党を揺さぶっている。総選挙前から、御用マスコミを使って、「暴力革命をめざす共産党」などのデマを流布してきていた。以前なら、そのデマに共産党だけが反論否定していたように思うが、今回のデマに対しては、ほかの野党や市民からの反論があいついだ。反共デマ攻撃に同調しない市民の意識は確実に進んでいることが示された。それだけに、共産党を含む野党共闘破壊に必死なのだろう。

 枝野さんが立憲民主党の代表を辞任された。しかし、立憲民主党を立ち上げ大きくし、共産党を含む野党共闘をすすめ、政権交代が現実化するかもしれないと、自公の心胆を寒からしめた功績は大きいと思う。だからこそ、あらゆるものを活用して、共産党を含む野党共闘破壊に乗り出してきていると思う。代表戦が行われる立憲民主党では、立憲民主党創立の経緯を振り返り、立憲主義を破壊してきた自公政治を継続させていいのかどうか、党員のみなさんで大いに議論して、新代表と方向性を決めてほしいと思う。反共という呪われた意識から党として脱却できるかどうかに大きなポイントがあると思う。

 疾風に勁草を知る。立憲主義を回復し、国民の苦難を軽減する政治の実現という野党共闘大義を思い返してほしい。ソ連や中国の独裁・強権政治を徹底的に批判し、総選挙では踏まれ石のように身を捨ててくれた日本共産党を本当に外していいのかどうかを議論してほしい。