野党は政権合意を急げ

 自民党総裁選で岸田文雄氏が当選した。多少の目先は変化させるだろうが、大筋において安倍・菅政権を継承することは間違いない。安倍政権では外相を務め、違憲の安保法制を強行した。

 10月4日に臨時国会が開かれ、菅首相退陣後の首班指名選挙が行われる。その時、野党は誰に投票するのか、が問われる。当然立憲民主党枝野幸男代表になるだろうが、野党は共闘で政権交代を目指しているのだから、選挙協力だけでなく、どのような政権協力になるのかを示さなければ、国民としては理解しにくいし、無責任のそしりを免れない。そして、その協力のあり方が分かることで、その政権の長短もわかり、国民としても支持・不支持の判断が可能になると言える。

 9年間の安倍・菅政権によって痛めつけられてきた日本国民。一部の富裕層だけが株価上昇でボロもうけし、貧困と格差が拡大し、国民が分断されてしまった。目先の経済効率だけを最優先する新自由主義を根本的に転換し、すべての国民が命と尊厳を守り合える社会を実現していきたい。そのためには、既得権益を守るために連合している自公と維新を少数派に追い込まなくてはならない。それには、大異や小異を横に置いて、市民連合と合意した政策に基づいて、野党が大同団結しなければ勝負にならない。権力を握っている側が団結しているのに、権力を持たない少数派が分裂していたのでは、話にならない。

 野党第一党立憲民主党が音頭をとって、大同団結を呼びかけ、政権交代したらこんな素晴らしい未来が待っていると、国民に勇気と希望を与えてほしい。