核兵器廃絶こそ世界平和への道

 今日21日から23日まで、オーストリアのウィーンで第1回核兵器禁止条約締約国会議が開催される。ロシアによるウクライナ侵攻と核兵器による威嚇・脅迫という危機的な状況の下で、多くの参加国がある。しかし、唯一の戦争被爆国の日本政府は不参加を決めた。同じアメリカの核の傘のもとにあるドイツはオブザーバー参加するというのに。

 この主体性のなさは救いがたい対米従属性を示している。米軍の勝手気ままを許している日米地位協定を放置している姿と重なっている。独立国の体をなしていない。

 政府は、核保有国が一国も不参加だから、その橋渡しをするという。だとしたら、双方の橋渡しなのだから、双方に顔を出すのが筋というものではないか。双方の意見・考え方を聞き、日本の考えも述べ、橋を渡していくべきものではないのか。核保有国の顔色をうかがう卑屈な態度では、国際社会を動かすことはできない。核廃絶という人類の悲願の先頭に立ってこそ、核保有の愚かさを広め、廃絶を実現していくものだ。

 今後、ロシアのプーチンのような指導者が続かないとは限らない。核保有が安全保障というのなら、すべての国が核を保有することを推奨することになる。しかし、そんなことになったら危険極まりない状態だと言うことは、言うまでもない。やはり、廃絶することが一番安全になるのである。力をもてあそぶものは、力で滅ぶ。2度の世界大戦を経験した人類の叡智が試されている。