維新は新自由主義の権化

 10月12日、衆議院での日本維新の会の代表質問を聞いた。貧困と格差を広げ、成長できない日本にしてしまった新自由主義を、もっと推進せよと岸田新首相に迫る内容で、やはりというか、自公の補完勢力としての面目躍如、右寄り政策促進のあきれるものだった。安倍・菅政権の9年間に対する批判はなく、もっと規制を取り払え、もっと憲法改悪議論を進めろと、けしかけていた。

 維新発祥の地の大阪では、自民党が生ぬるいからと言って飛び出した連中が、在阪テレビの支援を受けたタレント弁護士を頭にいただき、選挙に勝てば官軍とばかりに、自民党過激派のような新自由主義を展開した。経済効率を最優先し保健所や病院の削減を徹底したせいで、今年4月5月のコロナ急拡大で、大阪では医療にアクセスすらできず、自宅に放置され亡くなる方が続出した。そのことへの反省もなく、刑法で禁止されている賭博をやるカジノを誘致して大阪を「成長」させるとして、府民のための支出は削りまくり、浮かせた税金で、統合リゾート施設建設に猛進している。人を不幸にする賭博を「成長」のエンジンにしようというのだから、本来ならそれだけでアウトなのだが、いまだに府民に幻想を振りまいている。そんな幻想に頼らざるを得ないくらい、維新府政の10年で、大阪の地盤沈下は進んでしまっている。

 維新お得意の「身を切る改革」も、言い換えれば「人件費を削減する」事が改革だというのだから、あきれる。首長・議員や公務員賃金を削減すれば、民間労働者の賃金や生活弱者のためのさまざまな手当の削減につながり、人々の所得を下げて景気を悪くするのは理の当然で、維新が強くそれが極端な大阪は、成長できず不景気が続いているのだ。

 衆議院総選挙が近いので、表面的には自民党を批判しているように見せかけて支持を集めようとしている。いい加減にこのようなからくりに気がついて、政治の場から維新を退場させないと、とんでもないことになるだろう。立憲主義を守る市民と野党の共闘をすすめ、政権交代を始めよう。そして、新自由主義からの転換を実現しよう。