野党の政権協力合意を祝す

 9月30日、立憲民主党枝野幸男代表と共産党志位和夫委員長が政権協力で合意した。次の衆議院総選挙で新政権ができた場合、共産党は、市民連合と合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力をするというものだ。ようやくというか、やっとというか、いずれにせよ、協力することが決まって本当によかった。野党が分裂したままなら、憲法違反を平気でする自公政権が今後も続いてしまい、その悪政によって国民の命が軽んじられ、人権侵害が止まることがないからだ。

 前回の総選挙で、共産党は候補者を自ら下ろし、立憲野党の前進に貢献した。憲法を守り、国民の命と暮らしを最優先に考える、そのぶれない姿勢、献身性は貴重だ。立憲民主党も、かつての民主党とはちがう。枝野代表の著書を読んだが、新自由主義からの脱却を主張している。かつての民主党が、自民党以上に新自由主義を促進加速させる、みたいなことを叫んでいたことからすると、正反対だ。立憲民主党全体の方針として、まだ確立はしていない枝野代表の私案のようだが、それでも党首の考え方なのだから、これは大きい。ぜひとも、立憲民主党全体の方針として揺るがずにこの方向で進んでほしい。

 安倍・菅政権の9年間で、日本は世界的に見て、さまざまな分野で後れをとった。GDP、実質賃金、年金、研究者の研究論文数、ジェンダーギャップ指数、遅れている分野の指摘に枚挙にいとまがない。ほんのごく一部の富裕層が、株価上昇の恩恵を受けているだけだ。政治の私物化、高級官僚の腐敗堕落、企業のモラルハザード、マイナス面も枚挙にいとまがない。

 総選挙はもうすぐだ。今後は選挙協力を加速させ、野党共闘の政策の優位性をアピールして、政治が変われば国民生活がよくなることを示してほしい。政治は変わらないと諦めている国民に、夢と希望をもっていいのだと訴えてほしい。主権者国民は、きっとそれに応えてくれるだろう。