武器よりも医療の大切さがよく分かり

 1人あたり10万円の給付がようやく補正予算で決まった。このスピードのなさに政権のひどさがよく現れている。仕事やアルバイトがなくなり収入のなくなった人がどれほど多く、悲痛の声をあげているか。野党や国民の声に押されてようやく決まった給付を一刻も早く、また一回きりにせず進めてほしい。

 ところで、補正予算のなかで医療を守るための予算が1兆円にも届いていない。コロナ後の景気対策には何兆円ものお金を注いでいるくせに、こんなことで本当にコロナを収束させることができるのか。残念ながらできないだろう。マスクや防護服が不足し、重症患者のための病床に注力するだけの援護がなさ過ぎる。6月には資金ショートが起きるかもしれないとの病院からの悲痛な叫びが、政権には聞こえないらしい。

 保健所や感染症対策などの公的医療を削り続けてきたツケがあまりにも大きい。それを首長時代に推進した人物が、国会の対応が遅いだの議員報酬を返上せよだのと大きな声で言い回っているが、噴飯物だ。マスコミは、このような事態を招いた政策を推進した人物かどうかを見極めて、登場させるかどうかの見識を持つべきだ。武器よりも医療、生活を大切にしていかなければ、日本の未来を明るくすることはできない。