野党は候補の一本化を急ごう

 10月4日、安倍・菅政権をそのまま受け継いだ岸田文雄内閣が誕生した。8日の所信表明演説と13日までの代表質問だけで国会は終わらせ、14日に解散、19日公示、31日投開票の予定だそうだ。

 憲法に基づく野党の臨時国会召集要求を拒否し続け、自党の総裁選に1ヶ月もかけてマスコミをジャックし、疑似政権交代効果のあるうちに、選挙をしてしまおうという魂胆が丸見えである。しかし、世論調査では期待されたご祝儀相場の内閣支持率は50%を下回り、魂胆と表紙だけ変え中身は一緒が見透かされた格好だ。さもありなん。コロナ禍と政府の無為無策で国民生活は破壊され、政治を見る目が厳しくなっているのだ。小手先の疑似政権交代ではなく、本物の政権交代が期待されているのだと思う。

 しかし、まだその期待が盛り上がっている、とまでにはなっていないように感じられる。それはなぜか。その一因として野党の選挙協力が整っていないことが指摘できる。政権協力の合意ができたのだから、候補者の一本化を急ぎ、有権者にその姿を一刻も早く提示する必要がある。一本化だけでなく、選挙協力体制の確立も急がれる。亡き翁長沖縄県知事が言われた、「互いに敬意を持ち腹八分目で」統一することが大切だ。

 政党が違うのだから、違いがあるのは当然。しかし、立憲主義を守り、国民の命と生活を守るという大同で一致しているのだから、違いは持ち込まず、一致した政策を実現するため政権交代をめざすことを最優先すべきだ。

 自公政権が復活して9年。本当に日本のよかったところがことごとく潰されてきた。一部の大金持ちは株価上昇で肥え太ったが、労働者の実質賃金はすでに韓国以下となっている。アベノミクスのようなデタラメが今後も続いたら、悲劇以外の何物でもない。中間層を分厚くする政策への転換、つまり新自由主義からの脱却が急務だ。99%の国民を豊かにする政策への転換。今度の選挙は、その転換ができるかどうかがかかった大切な選挙だ。みんなで選挙に行き、政権交代を始めよう。