安倍政治への総括なき自民党総裁選挙は、日本をどこに導くか?

 8月28日の安倍首相の辞意表明から約1週間。党員投票なし、国会議員総会で選出することに決まったそうな。露骨な石破氏はずし、有力派閥による菅氏への支持表明と本人の出馬。勝ち馬に乗るべく、必死でにぎやかなものだ。

 しかし、一国民として思うのは、7年8ヶ月に及ぶ安倍政治への総括がほとんど見られず、ほぼ礼賛ばかりなのは納得できないということだ。この間、実質賃金は上がらず、消費税だけは2回に渡り5%も引き上げられた。コロナ対策は後手後手でまったく本気度が感じられない。年金積立金投入と日銀の政策で株価だけは上がっている異常な経済。公文書の隠蔽改ざん。加計学園桜を見る会に見られる国政私物化。森友学園への国有地8億円値引き問題も未解決。文書改ざんを命じられた役人が良心の呵責に耐えられず命を落とした。違憲の戦争法で立憲主義を破壊した罪悪も忘れてはならない。このように行政は無茶苦茶、国民生活はさっぱりだ。昔の自民党なら、そんな状態を批判して、改革を叫ぶ人が出てきたはずだが、出馬表明している人たちには、そのような気概が感じられない。

 このままなら、誰がやっても安倍なき安倍政治の継続になりそうだ。

 こうなったら、市民と立憲野党の共闘で、来たるべき衆議院選挙に勝利し、立憲主義を回復し、国民生活を第一に考える政治を取り戻すべきである。自民党に自浄作用が期待できないのだから、主権者国民が審判を下すべきだ。でないと、本当に国民が救われない。