なぜ検査の拡充で感染拡大を防止しない?

 緊急事態宣言を出さざるを得ないほど感染拡大が爆発的になり、医療の逼迫が深刻だ。陽性なのに在宅やホテル待機に留め置かれ、容態が急変して亡くなる方も出てきた。立憲民主党の羽田参院議員は、検査も受けられずに亡くなった。なんたることぞ。

 無症状感染者がウィルスを出すことが判明しているのだから、症状のある感染者だけでなく、幅広く検査をして陽性者を発見・隔離・保護することは、感染防止の基本の基であることは、素人の私にだって分かることだ。

 神戸の企業がPCR検査を自動化する装置を開発し、それを導入すれば大量迅速に検査できることが分かっているにもかかわらず、コロナが始まって1年経っても日本政府は検査態勢を整えようとしない。ノーベル賞受賞者本庶佑先生も理解に苦しむと発言されておられた。

 無症状感染者を早期に発見し、陰性になるまでのあいだ、ホテルで経過観察といざというときの療養ができる体制を構築しておけば、医療体制の逼迫を避けることもできたのではないか。それをせず、有症者に検査を絞り、無症状感染者が動き回ることを放置すれば、いくらマスク・消毒・3密回避の努力を国民が重ねても、感染拡大するのは理の当然ではないか。しかも、完全に感染が抑止できていない段階で、GOTOキャンペーンに1兆6千億円もの税金を投入して人びとを動かしたのだから、今の感染拡大は罪深く明らかに人災と言える。

 コロナ以外の病気にかかっても、緊急に入院や手術をしなければならなくなっても、これだけ医療が逼迫したら、受け入れてもらうのは無理で、救える命までも救えない状態に陥ってしまっている。文字通り、政治によって罪もない国民が殺される状態だ。

 一刻も早い政策転換が望まれる。それをしない政府なら、国民の力で政府を作り替える必要がある。それが国民主権というものだ。一人ひとりの力は弱くとも、決してあきらめてはいけないと思う。声をあげていこう。