洪水のような五輪報道がようやく終わった

 洪水のような五輪報道がようやく終わった。特にテレビのNHKはひどかった。コロナ感染拡大で、それにどう対応すべきか、多くの国民が関心を持ち心配しているのに、アリバイ程度に報道するだけで、五輪一色だった。視聴者から受信料を払ってもらっているのに、一体どうしてこのようなことになるのだろうか。いくら、不要不急の外出を避けて感染を防止し、医療崩壊を招かないようにしよう、といっても、国民に危機感が伝わらないのは当然だ。コロナはたいしたことではないという逆のメッセージを出していたといってもよい。案の定、開催地の東京周辺は、感染爆発ともいうべき惨状を示している。医療に接続できず、適切な治療を受けられず、重症化したり、亡くなる方も出てきている。医療従事者の悲鳴も感染した方の不安もよそに、五輪報道を脳天気に垂れ流した責任は大きい。日本の金メダルラッシュで、政権批判も弱まるとばかりの愚民視も、国民を舐めきった所業だった。気の毒なのは、選手たちだった。公平な環境も提供されず、酷暑の中でパフォーマンスを強いられた選手たち。巨額放映権料を入手する五輪貴族と、五輪を政治利用しようとした政権や利権集団に、利用された側面は否めない。こんな茶番をいつまで続けるのだろうか。社会の木鐸としてのマスコミの使命を今一度思い返してもらいたいものだ。