臨時国会開催拒否は憲法違反

 野党が憲法の規定に基づき臨時国会開催要求を出して1ヶ月以上経過した。要求から何日以内に開催せよとは憲法に書かれていないが、政府与党は拒否する意向との報道があった。これはおかしい。明らかに憲法違反だ。与党が多数を握っているからといって、最高法規である憲法に違反していいことには決してならない。主権者であるわれわれ国民は、このような政府与党のルール違反を容認してはならない。憲法を守らないのだから、普通の法律すら守らなくなり、人権侵害が頻発することになってしまう。

 野党が臨時国会開催を要求するのは、コロナ対策をはじめ、与野党の英知を結集して対応しなければならない課題が山積しているからだ。長引く緊急事態宣言で、さまざまな行動自粛、営業短縮、それに伴う補償をどうするか、医療を受けられない感染者への対応策等、議論すべき事は山のように存在している。

 コロナ対応以外でも、名古屋入管問題、貧困問題、アフガン退避問題など、政府に質したいことだらけだ。衆議院議員の任期満了が迫り総選挙が近いので、政府与党として野党からいろいろと質されて、不都合なことが明らかになることが怖いのだろうか。

 だとしたら、権力維持のためだけに臨時国会開催を拒否していることになる。国民の命や暮らし、営業を守るという政治の目的を見失っている所業と言わざるを得ない。政治の目的は何か、それは国民の幸福になる権利を保障することである。コロナによって国民は生活が苦しいだけでなく、医療も受けられなくなっている。これを打開するにはどうすればよいのか、政府与党だけでは手に負えないのが明白だ。権力維持だけが目的になってしまっている現状を、主権者である国民は、来るべき総選挙で変革しなければならない。

 野党は、政権交代したらこんな風に政治が変わり、命と暮らしと営業が守られるというビジョンを早く打ち出してほしい。もう、国民の命を軽んじる政治はごめんだ。無党派の人々、政治に諦めている人々に、希望の明かりを灯してほしい。