日米同盟は対等か? 米軍基地から染み出したオミクロン株

 1月7日、沖縄県でのコロナ新規感染者が1414人と発表された。感染拡大のスピードが半端でない。それがオミクロン株の特性だとしても、このウィルス拡散の要因となったのは、米軍基地であることは間違いない。なぜなら、米軍兵士の入国も、基地外への外出も、日本の国内法が適用外となっているからだ。オミクロン株の脅威が日本でも問題になってから、空港での検査やホテル等での一定の隔離期間を経ないと入国できないという措置がとられたのに、米軍はその水際作戦の適用外とされた。あの悪名高き「地位協定」なるもののせいだ。検査もしていない米兵はノーマスクで基地外に外出して帰還する。これが、感染を広げたのだ。米軍基地を日本国内のどこにでも置けるという、日米「安全保障」条約のおかげで、逆に日本国民の安全が脅かされるというパラドックスが生まれている。米軍基地のある都道府県と隣接県は、現在、本当に感染急拡大に陥っている。その最大の犠牲者が沖縄県だ。医療従事者にも感染が広がり医療崩壊の寸前ではないか。米兵の勝手を許している日本政府の責任は重大だ。

 この事態に対して、情けないことに、日本政府は米軍に対して、日本の法律を守って感染防止対策をとれ、と要求できていない。また、地位協定に問題があるのだから、その改定を迫ってもいない。ドイツでは国内法を守らせているにもかかわらず、だ。この「奴隷根性」ともいうべき日本政府の精神構造は、一体全体どう理解すれば良いのだろうか。ウィルスは人を介在して感染するのだから、米兵も日本人も、どの外国人も、同じ感染防止対策をとらなければならいなのは、当然ではないか。それを、特別扱いして穴を作るから、こんなことになるのだ。アメリカは、民主主義国のはずだから、日本政府から理屈の通った要求を出されたら、認めるはずだ。現にドイツでは認めているし従っている。要は、日本政府のやる気の問題である。こんな卑屈な対応ばかりしていると、日本国民から日本政府が見限られるだけでなく、米軍も日本国民から白眼視されるようになる。日米同盟を強化したいのなら、言うべきことは言い、守るべき事は守れ、と要求し合える間柄にならなければならない。今のような状態なら従属関係と見られても仕方あるまい。互いがリスペクトしあえる間柄が、本当の同盟といえるのだと思う。