自宅「療養」というゴマカシ

 新規陽性者が連日1万5千人を超えるコロナ感染爆発で、医療崩壊の状況だ。保健所に電話してもつながらず、医療に接続できない人々が大量に生まれている。マスコミは、簡単に自宅療養が増加していると報道しているが、本当に療養となっているのだろうか。広辞苑によると「療養」とは、「病気をなおすため、治療し養生すること」とある。医者に診察してもらい、しかるべき投薬を受け、自宅でそうするのなら、「自宅療養」といえるだろうが、治療を受けられていないのだから、「療養」ではなく、「待期」ないし「放置」というべきではないだろうか。医師の診察や検査を受けて自宅での治療・養生の指示を受けているのであれば「療養」といえるのだが、そこにたどり着けていないことを「自宅療養」と称することは、事態の正確な把握にならないどころか、誤った把握・認識を生じさせ、さまざまな判断を誤らせる危険性が高まる。事態を軽くみたい人々には都合のよい言葉だが、大いに問題だと思う。言葉は正確に使用しないととんでもない判断を導いてまう。マスコミには、当局が発する言葉を、吟味してから使用すること、間違っているなら、正しい認識に導かれる言葉遣いをしてほしいものだ。