軍拡より災害救助隊整備・派遣を ~ アフガニスタンの地震に対して ~

 6月22日、アフガニスタン南東部で大きな地震があり、多数の死傷者が出た。被災地への交通が難路で、救助もままならないそうだ。こんな時、日本に災害救助隊が整備されていて、国境を越えて被災地に派遣されたら、どれだけ被災地の人々が助かるだろうと思う。

 ロシアによるウクライナ侵略が始まって4ヶ月が経過して、まだ激しい戦闘が続けられている。北朝鮮のミサイル実験や中国の軍拡もあり、ここぞとばかりに日本国内でも軍備増強や核共有論など、軍事一辺倒の大合唱が繰り広げられている。惨事便乗の単純な議論に危惧せざるを得ない。軍拡や軍事同盟強化が安全の保障にならないのは、歴史の教訓だ。二度にわたる世界大戦はいかにして起きたのか簡単に振り返ると、第一次大戦三国同盟三国協商の対立、第二次大戦は第一次大戦後の軍縮条約破棄から軍拡競争と軍事同盟強化の結果引き起こされた。軍拡は戦争準備の別名だから、結局戦争に突入する危険性が高い。

 ところが、災害に備えることを強化すると、災害が発生したとき、一人でも犠牲者を減らすことができる。これが軍拡と大いに違うところだ。そして、国内だけでなく、わけへだてなく外国の災害にも救助隊を派遣すれば、感謝され、友好と信頼が深まるはずだ。武器は人々を殺傷するものだが、救助隊は文字通り人の命を救うものだ。防災や救助の体制を増強する方が、近隣諸国を変に刺激せず、むしろ信頼感や安心感を醸成することになるではないか。軍拡より災害救助隊の整備・派遣が大切だと思う。